今回のZOOM JOURNALでは、引き続き、「BEAMS」プレスの目黒越子さんにインタビュー。日々の暮らしの中で「お気に入り」を取り入れることの大切さについて、お話を伺いました。
職場ではダントツでペンを使うことが多いです。文章の校正や、お客様へのギフトに一筆添えるときなどに使います。選ぶときに重視するのは、デザイン性。どうしてもシンプルなものが好きなので、ペンもすっきりした大人っぽいものに目がいきますね。ZOOMシリーズはまさに、今の私の好みにフィットしたデザインです。
また、全カラーのグラデーションもすごく繊細で、こだわりを感じます。日本の四季や自然といった不変の美しさをテーマにしていると伺いましたが、私もアースカラーに目がないですし、スタイルをつくるときに季節感を大切にしてるので、すごく親和性を感じました。
「抜け感」を言語化するのは難しいのですが……ある種の「隙」だと思っています。ファッションで言うなら、肌の見せ具合や素材感、あとは、ディティールにひとさじの工夫があったりすること。首の詰まったトップスを着るなら手首か足首を出してみたり、地厚な生地にサテンやシアー感のある華奢な生地を合わせたり、王道のコーディネートにちょっと外したデザインのアクセサリーを合わせたり。さりげない「隙」をつくることで、スタイルがグッとこなれて、その人らしさが垣間見えるように思います。
ZOOMの「抜け感」も、ファッションのそれと共通する部分があるように感じました。例えば、L2のノック部分がさりげなく円錐型になっているのも、デザインの「隙」だと思うし、作り手の方のこだわりが詰まった部分ですよね。そういうところに、物としての魅力をすごく感じます。文房具とファッションの「抜け感」という視点の共通点は、新しい発見でした。
ZOOM L2の「sumire」カラーが好きです! フォルムが手に馴染みますし、華奢なデザインで、私まで華奢に見せてくれそう(笑)。愛らしい、でも芯の強そうな色合いも魅力的です。「sumire」という言葉自体にも惹かれるものがありますよね。
自分用にはもちろん、誰かへのギフトとしても、ZOOMは喜ばれると思います。お話した通り、アパレルの職場ではペンの需要が結構あるので、仕事関係の人へのちょっとした贈り物に丁度いい。あるいは、家族の節目のお祝いなどにもいいかもしれません。名前やメッセージを入れられるので、その人のイニシャルや、大切にしている言葉をペンに刻印して送るのもステキだと思います。
好きなもの、こだわりのあるものが周りにあることって、ひとつの豊かさだと思うんです。気持ちが落ち着くし心地いいし、ネガティブな思考になりづらい。洋服もそうですし、文房具やインテリアも、ブームはあるけれど、好きなものに長く寄り添えるような日々を過ごしていきたいと感じています。
例えば、ひとつ好きなペンを買ったら、きっと、そのペンを収納するケースが欲しくなると思います。今まではバッグに裸で放り込んでいたけれど、丁寧に使いたいな、という気持ちが自然に湧いてくる。当然、定期的にお手入れをするようにもなって、その時間そのものが豊かだと感じます。「お気に入り」をひとつ取り入れることで、こうしたいい連鎖が生まれ、ライフスタイルがいっそう心地よいものになるのではないでしょうか。
Direction:MOSH books
Writer:荒井奈央
Photo:片岡 祥
目黒越子
1983年生まれ。2005年「デミルクス ビームス 新宿」スタッフとして入社。ショップスタッフ時代には『ベスト販売員名誉表彰者』に選出。スーパーバイザーを経て、2020年よりプレスに。Instagramはフォロワー6.8万人、自身が制作に関わるコレクションや着用アイテムへの反響も大。休日は大好きなワインと共に葉山でのライフスタイルを愉しむ。2023年には初の著書となる『Meguro’s SIMPLE STYLE MEMO』を出版。
Instagram@meguro_etsuko