今あらためて考えたいギフトとしての花の魅力

インタビュー

2023.9.20

普遍的な存在感のある花というギフト今あらためてその魅力について考えてみませんか
今回訪れたのは印象的なブーケが目を引くフラワーショップevolイーボル個性豊かな花々に彩られた美しい空間で店主の福田まりよさんにギフトとしての花の魅力について伺います

―――ギフトとしては定番の花あらためてその魅力を教えてください。

作り手として感じる花の魅力はいろんなシーンに立ち会えることですプロポーズや結婚式子どもの誕生日大切な人の命日お店にいらっしゃるお客様の忘れがたい瞬間に間接的にではありますが花を通して立ち会えることが私にとっては一番の魅力です。

evol福田まりよさん

小売りを中心にしたevolをオープンさせたのは3年前のことそれまでは小さなアトリエを構えて空間装飾をメインで活動していましたアパレルショップやイベント会場などにディスプレイする装飾物としての花をデザインするんです花やグリーンがあるだけで空間の雰囲気はガラリと変わるものそういう意味ではギフトとして誰かに花を贈る瞬間はその場がいっそう高揚感に満ちた雰囲気になりますこれもまた花の魅力の一つなのではないでしょうか。

―――印象深かったお客さんのエピソードを教えてください。

去年の母の日に小学生くらいの姉妹がお店に来たんですお母さんにプレゼントするお花を買いに来たようなんですがずーっとケンカしていて基本的にお姉ちゃんが主導権を握っていて妹がこのお花がいいって言うのを全部ダメって言うんですよねそれでも何とか2人で折り合いをつけて小さなブーケを買って嬉しそうに帰っていったのが印象的でした

またこれも母の日のこと小学生くらいの男の子が自転車に乗りながらお店の前をずっとウロウロしてるんです花を買いに来たんだけどどうやら恥ずかしくて一人で入店できない様子最後には店に入ってきて無事にお花を買っていったんですが自転車で何度も店の前を往復している姿がかわいくて忘れられません

―――ギフト用の花をつくるときに大切にしていることはありますか?

もらう人はもちろんのこと贈る側の人にも喜んでもらうことですギフト用となるともらう人の方にフォーカスが当てられがちですが贈る人にこそさまざまな思いとストーリーがあるんですよね作り手としてはそこにいかにアプローチできるかが重要だと思っていて細かいテクニックも必要ですがまずは贈る人が喜んでもらえるようなブーケをつくることを意識しています。

それからどこかにevolらしさを取り入れることうちのお店は駅から結構歩くのですがevolのテイストが好きでわざわざ足を運んでいただいているお客様も多いんです例えば他のお店にはない珍しい花を取り入れたり草花をアクセントに加えたりしてここでしか出会えないギフトを提供したいなと思っています。

―――菊は仏花を連想させる赤い花は新居祝いには向かないなど花を贈る際にはさまざまなマナーがありますがどのくらい意識しておくべきでしょうか?

私は全く気にしていません例えば洋菊がすごく流行っているんですよパッと見はダリアと見間違えるくらいの華やかさでいろいろなシーンに映える花ですまた先日仏花を買いに年配のお客様がいらっしゃったんですその方は夏場の仏花はすぐダメになるからと言ってドライフラワーを買って行かれましたそういう意味ではうちにいらっしゃるお客様も気にされる方は少ないかもしれません

今は毎年たくさんの新しい種類の花々が出ています堅苦しいマナーはあまり気にせず感性の赴くままに個性豊かな花との出会いを自由に楽しんでいただきたいですね

福田まりよさんステキなお話をありがとうございました
次回は引き続き福田さんにギフトとしてのZOOMの魅力を語っていただきます


Direction:MOSH books
Writer:荒井奈央
Photo:片岡 祥

evol
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