今回のZOOM JOURNALでは、引き続き、雑貨コーディネーターのオモムロニ。さんに、贈り物としてのZOOMの魅力について語っていただきます。雑貨のプロは、どんなシーンでどの1本をギフトに選ぶのでしょうか?
20歳のお祝いに祖母にもらった万年筆を、今でも使っています。ギフトとしての文房具の魅力は、普遍的なところ。デジタルデバイスが主流の現代においても、文房具が必要なシーンは誰にでも必ずありますから。また、消耗品というカテゴリではあるものの、大切に使えば、文房具は極めて長持ちするアイテムです。そういう意味では、ギフトとしての文房具は、贈った人ともらった人とのつながりを長く保つための役割を担っているとも言えるかもしれません。
歳を重ねると、学生のときのように、筆箱にあれもこれも入れるということはなくなります。厳選したお気に入りの逸品を探し求めるのも、大人ならではの文房具の楽しみ方です。また、コンビニでも手軽に買えるアイテムだからこそ、自分では買わない、少し上質なものをもらうとうれしいものですよね。私自身、何かの折に少し高価なペンやメモ帳を贈ることも多く、そうしたシーンにZOOMは最適だと思います。
ZOOMには3種類ありますが、まず目を引いたのは、C1のデザイン性。ノック部分が浮遊しているような不思議なデザインは、「押したらどうなるんだろう?」と何度もノックしたくなります(笑)。これはぜひ、ファッションや小物に対する感度が高い人や、人と会う機会が多い人に贈りたいですね。唯一無二のデザインを面白がってくれるでしょうし、話題のきっかけにもなりそうです。
ZOOMはジェンダーレスなデザインが魅力の一つですが、L1もまさに、男性にも女性にもしっくり来るビジュアル。上品な淡いブルーやグレーは、女性はもちろん、男性が持っても違和感なく、むしろ新鮮な印象を与えます。また、ZOOMは和の美しさをイメージしていることもあり、特にL1は和小物との相性がバツグンです。普段、着物をお召しの方や、和小物が好きな方への贈り物にもおすすめです。
実際に見て、カタログで受けた印象と全く違ったのがL2です。華奢で女性的なフォルムを想像していましたが、現物は思いのほかユーモアのあるデザイン。ノック部分の逆円錐の形がビックリマークのようで面白く、表面に特殊な塗料が施されていて、持ったときのフィット感がとても気持ちいいんです。長時間ガシガシ書き続けられそうな使い勝手のよさがあるので、学生さんの進学祝いや就職祝いに贈ってあげたくなりますね。
デイリーギフトの包装って、意外と難しいんです。以前、品物の価格以上に見えてしまう過剰なラッピングをして、相手に気を使わせてしまった苦い経験があって。かといって、裸のままやお店の袋のままで渡すのはちょっと味気ない。その点、ZOOMは専用のギフトバックで完結していて、特別感がありつつも決して仰々しくなく、すべてが丁度いいんですよね。
パッケージのこの特殊な形状は、日本の巻き物や着物をイメージしてつくられたそうです。和の美意識を表現したZOOMの世界観がパッケージにまで統一されているのはステキですよね。三角錐という箱の形状や同梱されている試筆用の紙も、ギフトならではのワクワク感を掻き立てられます。
全部!と言いたいところですが……(笑)。あえて1本選ぶなら、L1のフルブラックです。インクフローがなめらかな水性ゲルインクで、書き味が今使っている万年筆と似ていることもあり、私にはしっくり来ます。それから、キャップの先端がさりげなく波打っているデザインも粋ですよね。今、スタイリッシュな文房具ってあまり珍しくないので、パッと見では気づかない遊び心のあるデザインにすごく惹かれます。
オモムロニ。さん、ステキなお話をありがとうございました。
Direction:MOSH books
Writer:荒井奈央
Photo:山本一維
雑貨コーディネーター、東京生まれ。雑誌やWEBでの執筆、雑貨やギフトなどのセレクトやコーディネートなど活動は多岐にわたる。雑誌『LaLa Begin』『&Premium』で連載中。2019年には初の著書となる『DAILY GIFT BOOK 気持ちが伝わる贈りものアイデア』(文藝春秋)を上梓。
Instagram@omomuroni