トライアンドエラーとチャレンジから生まれた心地よさへのこだわり

インタビュー

2023.4.20

今回のZOOM JOURNALは新生ZOOMのC1とL1を設計した河野さんにインタビュー
当時の開発秘話から設計時の苦労話などもお聞きします。

――新生ZOOM のC1やL1の開発はどのように行われたのですか?

開発フローを簡単に説明するとまずデザインを受け取った時点でどのような品質を目指すのかを明確にした上で材料を選定したり全体の部品構成や機能部分の内部構造などの構想設計をしていきますそして重要な部位などは早い段階から試作品を作りデザイナーやプロジェクトメンバーとすり合わせながらより詳細な設計へと進めていきますさらに試作品や部品図などを用いて関連部門と打ち合わせを重ねながらブラッシュアップさせ製品が完成するという流れです

――C1やL1を設計するにあたって特に難しかったところはありますか?

C1はやはりノック部分ですねパッと見たとき一般の方でも強度は大丈夫?と感じるのではないかと思いますがその部分に関してデザイン性や操作性だけでなく強度などの耐久性も両立させるのに苦労しましたまた外装に関しても非常にこだわっていまして色調や質感の仕上がりについては何度もトライアンドエラーを重ねてようやく納得のいくものが出来上がったのですそしてもう一点はボールペンとシャープペンの両立です全く異なる2種類の内部構造を同じデザインで同時に設計を進めていくことは大変苦労しました。

L1は大きくキャップと本体軸の二つに分かれるのですがキャップは外装に境界線や凹凸があるだけで見え方が大きく変わるのでいかにそれらを最小限に抑えるかということにこだわりましたまた本体軸はすりガラス調の透明になっているため内部構造が見えてしまうという難しさがありしかも製造過程でホコリが入ってしまうと外側から見えてしまうなど気をつけなければならない部分がたくさんありましたね。

――それぞれ特にこだわったところはありますか?

開発するにあたって考えていたのは常にチャレンジして新しいものを取り入れるということですその点においてやはりC1は浮いているノック部分に力を入れ今までにない感触かつ心地よい使用感が実現できたのではないかと思っています
L1に関してはキャップの開け閉めの心地よさにこだわりましたこの心地よさは感覚的なもので正解がありませんそのためプロジェクトメンバー以外の方々にも評価してもらい調整を重ねより多くの人が心地よいと感じられるように仕上げました。

――開発者ならではのこだわりポイントはありますか?

C1の特徴といえば浮いているノック部分ですがここはデザインとして優れているだけでなくちゃんと厚いものも挟めるように可動式のクリップに設計していますまたノックするときの静音性にも実はかなりこだわっています
L1はやはり先ほど申し上げたキャップの嵌合感と透明のボディですね決して特徴的なデザインではありませんがその分細部にまでこだわりを持って設計しました新生ZOOMは日本発ということで全ての製品がMADE IN JAPANならではの丁寧さや精密さが伝わるような仕上がりを意識して開発していきました。

――最後にZOOM製品の中でお気に入りの一本を教えてください

C1の設計にはすごくこだわりましたし思い入れも強いのですが実は今私が使っているのはL1のグラファイトブルーなんですブルーブラックインクのリフィルを入れて使っているのですがまず私の黒い手帳にグラファイトブルーの色合いがすごくマッチしているのと水性ゲルの書き心地がすごくいいんです今まで私は普通に油性ブラックインクのボールペンを使っていたのですが水性ゲルのブルーブラックインクを使うようになって今までより書くことが楽しくなったような気がしますですからお客様にもぜひL1の書き心地を試していただければと思っています。

河野さん設計秘話をお話いただきありがとうございました
次回は野田さんにL2設計のお話を伺います

Direction:MOSH books
Writer:前田和之
Photo:片岡祥