――まずは、ご自身のブランド「IRI」の特徴から教えていただけますか?
「IRI」は、ルネサンス期のイタリアで発祥した伝統的な加工技法「フィレンツェ彫り」に、オリジナルの感性とインスピレーションを組み合わせたジュエリーブランドです。地金はシルバーやゴールドを使用し、タガネという金属加工用の工具を用いて彫金しています。
手彫りならではのレース生地のような繊細さが特徴で、手に取った方に寄り添える存在であるような、温かみのあるブランドを目指しています。
――「温かみのあるジュエリー」というコンセプトは素敵ですね。その想いの原点はどこにありますか?
8歳のときにお会いした、とあるジュエリーデザイナーの方への憧れが原点かもしれません。彼女が持つ世界観の美しさに惹かれ、彼女のジュエリーを手にしながら、「どのような想いを込めてデザインしたのだろう?」や「この作品の根幹にある美しさはどこだろう?」と想像するようになり、「気持ちを込めてつくることが大事なんだ」と強く感じました。
インスピレーションを受けたものや、デザインモチーフなどをノートに手描きし、アイデアの源にしているIRIさん。写真の一部は、桜のネックレスを制作する際のデザイン資料。
――そんなIriさんにとって、ジュエリーデザインの魅力とは?
ジュエリーは永遠に価値が残るものです。そして手作りなら、その価値に「温かみ」を加えられると考えていて、それが私にとって大きな魅力です。
ジュエリーを提供するというよりは、私のジュエリーを手に取ることで、その方の世界が広がったり、気持ちが前向きになるお手伝いがしたいと考えています。
――ZOOMは「日本発のコンテンポラリーデザインペン」をビジョンに掲げたブランドです。 今回、IriさんはZOOMの3つのモデルのなかからキャップ式の水性ゲルボールペン「ZOOM L1」に注目されましたが「ZOOM L1」の印象や率直な感想からお聞かせください。
ZOOM L1は、まずカラー展開の豊富さにときめきました。シックな印象のシルバーやグラファイトブルーから、ポップな印象のマットブルーやマットグレーまで、男性でも女性でも使いたくなるバリエーションの幅広さが素敵ですね。その中でも私は、定番カラーの「マットブラウン」と限定カラーの「sumire」がかわいくて気に入りました。
実際に手に取ってみても、sumireをはじめ、マットシリーズのパステルカラーは本当にかわいいですね。 色鮮やかというよりは、日本的な奥ゆかしさを感じるやわらかで美しい色合いで、とても魅力的です。手に持った感覚も、想像していた以上に肌あたりが面白いです。
――肌あたりに注目されるのは、ジュエリーデザイナーさんならではですね。どのような印象ですか?
ペンなのに「肌に馴染む」と思いました。化粧品も、合うものは肌と一体化するような感覚がありますが、ZOOM L1にもそれと似た一体感があります。
恐らく、外軸と中軸の素材を分けた二重構造が透明感を感じるつくりになっているのと、グリップ部分のマットな素材感、先端部分のクリアな質感のバランスが絶妙だからだと思います。滑らかさを感じ、肌にピタッとして、手に持った時にしっくりきますね。
――身につけた時にしっくり来る、肌馴染みの良さはジュエリーにも大事なことですよね。
そうですね。ジュエリーも身につけたときの心地良さが重要で、肌馴染みやぬくもりを感じられるようにデザインし、彫金しています。体の延長にあるような一体感を大事にしているので、ジュエリーに艶がありすぎるときは少し削って光り加減を抑え、やわらかさを出すこともあるんですよ。ZOOML1もおそらく、手に持ったときの一体感を出すために、何度も試行錯誤をされたと思います。
――デザイナーとして、IriさんがZOOMに共感される部分はありますか?
ZOOMがコンテンポラリーデザインペンとして、日本発の信頼性の高い技術を現代的なデザインに落とし込んでいるのが素敵だと思います。私もフィレンツェ彫りという伝統的な技法をベースに、現代的に落とし込んでデザインすることを心がけているので、共感を覚えます。
――実際に、ZOOML1を使用してみた感想をいただけますか?
水性ゲルインクを採用しているからか、角度や筆圧で線の太さを変えられるのがいいですね。細くて繊細な字も、太くてなめらかな字も書くことができ、書いた文字に温かみがあります。しっとりと流れるように書けるので、文字だけじゃなく、イラストやスケッチを描くのにも向いていそうです。
――貴重なレビューをありがとうございました!
最後に、Iriさんがデザインするうえで最も大切にしていることをお聞かせいただけますか?
私のブランドは、手に取ってくれた方に寄り添うことを大切にしており、ポジティブな想いや温かい気持ちを乗せてジュエリーをつくり、届けることを心がけています。彫金しているときは、手に取ってくれる方のことを想像し、「どんな気持ちで身につけてくれるかな」や「このジュエリーを身につけて、心地良い気持ちになってほしい」と想いながら制作しています。
単にジュエリーをデザインするのではなく、手に取ってくれた方に向けて想いを込め、その方の物語までイメージするのが、私にとってのデザインです。
ジュエリーデザイナー。2018年、武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科に入学し、金工を専攻。2020年、ジュエリーブランド「IRI」を設立。フィレンツェ彫りをベースに、オリジナルの感性とインスピレーションを組み合わせ、ひとつずつ丁寧にジュエリーを制作する。2024年3月、個展「Enveloped in light~ 光に包まれて~」を開催。同年6月・12月、そごう横浜店にてPOP UP STOREを開催。
デザイナーInstagram IRI(ブランドInstagram) IRI(ブランドサイト)
Direction:CREEK & RIVER
Writer:島尻明典
Photo:吉村永
→ ZOOM L1